
栄養ニューズ
504
2025年11月1日号
発表の要点
京都大学の木村郁夫先生は、発酵食品には様々な健康増進効果があり、その多くは短鎖脂肪酸やEPSが関与していることを紹介した。短鎖脂肪酸は腸内細菌が発酵性食物繊維を分解することにより産生されると解説した。また、栄養素はエネルギーとしての機能に加え、体内の受容体に結合することで生理活性物質としての機能を持つとし、その一例として、脂肪酸によるインスリン分泌促進を介した血糖値上昇抑制効果を示した。これらの脂肪酸の生理活性には腸内細菌を利用したプロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスの概念を紹介した。また腸内細菌による肥満抑制効果のメカニズムについて、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が腸管ホルモンを刺激し、交感神経や白色脂肪組織に作用する経路があるとし、マウスの実験例を示した。また、腸内細菌が糖を蓄積するEPSでも肥満が抑制されることを示し、EPSを多く産生する腸内細菌を紹介した。これらの腸内細菌が産生するEPSについても食物繊維様の作用を解説し、サプリメントなどの社会実装を目標に試験を行っていることを紹介した。