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栄養 Vol.39 No.1
2024 MAR

Special topics 特集:悪液質と栄養

【総説】 がん悪液質と薬物療法

立花佑介、 髙山浩一
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学

ヒポクラテス学派の書物や『医心方』などに悪液質と思われる記述があるように、悪液質は古くから知られていた。しかし、定義や治療法などがある程度定められ、がん悪液質に直接アプローチできるようになったのは比較的近年のことである。本邦ではがん悪液質に対して、世界に先駆けてグレリン様作用薬アナモレリンが承認され、臨床応用されている。現在、成長分化因子(GDF)-15をターゲットとした薬剤の治験も行われており、その他の分子を標的とした薬剤の開発や治験も進められている。しかし、アナモレリンなどの薬物療法だけでは十分な効果が得られず、栄養療法や運動療法などの非薬物療法も組み合わせた早期の集学的介入の必要性が示唆されている。また、がん悪液質の認知度が低い可能性も指摘されており、啓発活動も必要である。がん悪液質に対して向き合うことは、がん患者の全人的医療を実践することにつながり、集学的な介入には様々な分野からのアプローチが必要であるため、多職種での連携も欠かせない。

KEY WORDS ▶︎ 悪液質、がん悪液質、グレリン、アナモレリン、GDF-15