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栄養 Vol.39 No.3
2025 JAN

Special topics 特集:災害と栄養

【総説】 東日本大震災時の栄養 ~宮城県と女川町における震災当時の栄養状態~

佐々木裕子
仙台白百合女子大学人間学部健康栄養学科

011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災をもたらした巨大地震が発生した。被害があまりにも甚大かつ広範囲だったため、過去に起きた阪神淡路大震災・中越地震による食生活支援体制や復興の知見が当てはまらなかった。
そこで、食料の調達が困難を極めた女川町において、避難していた人々に食事記録票を記入してもらい、1週間ごとに平均値を比較した。その結果、エネルギーおよび栄養素について、国が示した目標量には至らなかった。特にたんぱく質が平均44g、ビタミンCが平均32mgの摂取と、通常より大幅に不足した。このように避難所生活の長期化で懸念される問題の一つとして、栄養摂取不足が浮き彫りになった。県でも3回の食事調査が行われたが、エネルギー提供量は1日平均1,546kcalで、厚生労働省の摂取目標の77.3%にとどまった。結果は一部新聞報道されたのみで、当時は栄養問題よりも住宅や生活再建が優先とされた。

KEY WORDS ▶︎ 東日本大震災、食事調査、避難所、食事、栄養不足