
栄養 Vol.40 No.3
2025 OCT
Special topics 特集:コスト管理の観点から見た栄養管理の重要性
【総説】 病院給食のコスト管理を巡る環境の変化
加藤 肇
株式会社矢野経済研究所
我が国では、人口減少と少子高齢化が進行しており、高齢者比率は30%に達している。政府の医療政策で病院数と病床数は漸減傾向にあり、病床区分の見直し等で、提供される医療サービスも変化している。それらを受けて、病院では疾患の種類や入院患者の年齢が変化している。
病院給食も変化している。病院給食は、長きにわたり直営で運営され、病院調理職員の勤務時間や看護師の交代時間に合わせて、「早い、まずい、冷たい」食事が提供されてきた。しかし、給食提供制度の見直しや外部委託化の進展もあって、入院患者のQOL向上や早期回復・早期退院を目指し、食サービスの質的改善が続けられた。
病院給食の現場では人手不足が著しく、給食コストの高騰もあって、十分なサービス提供に支障をきたしている。その改善策として、新調理の導入、完調品の使用、メニュー管理のシステム化、給食の外部委託化等が進行している。病院給食のコスト管理を巡る環境は大きく変化している。
KEY WORDS ▶︎ 人手不足、原材料費高騰、完調品、新調理、セントラルキッチン、入院時食事療養費の改定、給食の外部委託化