
栄養 Vol.40 No.2
2025 JUN
Special topics 特集:精神状態と栄養
【総説】 抑うつ・心理的ストレスと食品摂取頻度との関連
後藤知子1)、佐藤ゆき2)
1)宮城学院女子大学生活科学部食品栄養学科<br />
2)独立行政法人労働者健康安全機構(JNIOSH)<br />
2)独立行政法人労働者健康安全機構(JNIOSH)<br />
抑うつ・心理的ストレスと食品摂取頻度との関連を探るため、宮城県在住の男女57名を対象に自記式質問票アンケート調査と食物摂取頻度調査を実施した。抑うつはPOMS2のDD-T(抑うつ得点)とTA-T(不安得点)、心理的ストレスはK6、活力はPOMS2のVA-T(活力得点)を用いた。男女57名のDD-T・TA-T・K6は年齢との間に有意な負の相関が認められ、年齢の影響を排して抑うつ・心理的ストレスと食品摂取頻度との関連を探るため、50歳以下39名を解析対象とした。DD-TとTA-Tとの間には有意な強い正の相関が認められ、抑うつが強い人ほど不安が強いと考えられた。高DD-T群は低DD-T群に比べサツマイモ・ジャガイモ・いも類の1日摂取量が有意に少なかった。高TA-T群は低TA-T群に比べサツマイモ・ジャガイモ・牛乳の1日摂取量が有意に少なかった。活力が高い高VA-T群は低VA-T群に比べ果実類の1日摂取量が有意に多かった。高K6群は低K6群に比べバナナ・牛乳・ヨーグルト・乳類の1日摂取量が有意に少なかった。すなわち、抑うつ・心理的ストレスが大きいほど乳類・いも類の摂取量が少なく、活力が高いほど果実類の摂取量が多かった。本調査による因果関係は不明だが、乳類・いも類・果実類を含むバランスのよい食品摂取が、抑うつ改善につながる可能性が考えられた。
KEY WORDS ▶︎ 抑うつ、心理的ストレス、不安、活力、食品摂取頻度