
栄養 Vol.2 No.3
2017 september
Special topics 特集:災害時の食 要配慮者・弱者の健康維持の可能性を問う
【総説】 介護食の本質とは
須藤紀子
国立大学法人 お茶の水女子大学生活科学部 食物栄養学科
高齢者は摂食機能や消化機能が低下しているため、たくさんの量は食べられない。災害時には食事介助者が確保できない可能性もあるので、少量で必要な栄養が摂れる栄養素密度の高い食品が望ましい。市販の栄養補助食品や濃厚流動食などは調理も不要で、栄養が添加されているため、災害時の食事としても適している。このような特殊栄養食品は基本的に受注生産であり、メーカーも在庫をもたないため、災害が起きてから大量に入手しようとしても難しい。平常時からローリングストックで現物備蓄しておく。災害時は冷蔵庫が使えず、食べ残しを衛生的に保管しておくことはできないため、高齢者用の少量の災害食の開発が望まれる。全介助者であっても、手を使うことが食べる感覚を呼び覚ますため、食器が不要で災害時にも適している、手づかみ食べのできる介護食の開発も望まれる。免疫力が低下しているので、手の清拭に必要なウェットティッシュなどの衛生用品も備蓄しておく。
KEY WORDS ▶︎ 動物性食品、食品衛生、減塩、五感、口腔機能