
栄養 Vol.39 No.2
2024 Jun
Special topics 特集:体内時計と栄養
【総説】 女性の健康・ライフスタイルと時間栄養
永井成美、湯面百希奈
兵庫県立大学大学院 環境人間学研究科
女性の健康を高めることは、持続的な社会の発展や維持に欠かせないが、現代では、体内時計を乱しやすいライフスタイルが蔓延し、女性の心身へ影響を及ぼしている。体内時計(主時計)の同調因子である光に関しては、朝の太陽光と同じ短波長光であるブルーライトの夜間受光が、睡眠を司るメラトニンの分泌抑制に作用することが知られている。電子機器とインターネットの利用時間が長時間に及ぶ傾向はとりわけ若い年代で顕著であるが、この年代では、他の年代と比して睡眠の質低下を示唆するデータもある。末梢の体内時計の同調因子の1つである朝食に関しては、3 食で最も欠食されやすく、週3回以上欠食する割合は18〜49歳女性の約3割に及ぶ。また、女性は男性と比べ若い世代から便秘が多いが、朝食欠食がその1つの要因である可能性がある。時間栄養の観点からは、体内時計で駆動される概日リズムを、光の浴び方や食事の仕方を考慮したライフスタイルで整える支援が望まれる。
KEY WORDS ▶︎ 概日リズム、光、電子機器、ブルーライト、睡眠、朝食欠食、便秘