
栄養 Vol.40 No.1
2025 MAR
Essay 編集委員エッセイ
肝疾患における栄養のトピック
遠藤 啓1)、黒田英克1)、加藤章信2)
1)岩手医科大学内科学講座消化器内科分野<br />
2)盛岡市立病院消化器内科 院長
2)盛岡市立病院消化器内科 院長
食生活の欧米化や生活習慣の変化によって肥満やメタボリックシンドロームといった過栄養による健康障害が注目されている。2023 年に従来の非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)を代謝異常関連脂肪性肝疾患(Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)と呼ぶことが提唱された。先進国においては肝硬変の成因がウイルス性肝炎から非ウイルス性肝炎がメインとなりつつある。MASLD やアルコールに起因した慢性肝疾患は適切な介入や検査を受けることが少なかった。そのため、日本肝臓学会では 2023 年に奈良宣言を発表し、ALT > 30U/L の場合には医療機関を受診するように促している。一方、近年では高齢化社会の到来に伴って、過栄養だけでなく低栄養やサルコペニアのリスクも認識されるようになってきた。また、肥満はMASLD の進展に関わるが、すでに肝硬変に至っている場合にはかえって予後に好影響を与える、Obesity paradoxという現象も注目を集めている。
本稿では肝疾患における栄養関連のトピックについて触れていく。
本稿では肝疾患における栄養関連のトピックについて触れていく。
KEY WORDS ▶︎ MASLD、奈良宣言、Obesity paradox、サルコペニア、肥満