
栄養 Vol.39 No.3
2025 JAN
Special topics 特集:災害と栄養
【総説】 災害時の口腔・栄養ケア
小島 香
浜松医科大学 健康社会医学講座
発災後の課題となる災害関連死では、循環器疾患と並んで肺炎をはじめとする呼吸器疾患が多い。避難所の環境は、これまでと比べて改善されつつある。しかし、発災の時期によっては肺炎を引き起こしやすい。肺炎の予防で重要となる保健活動に口腔ケアが挙げられる。能登半島地震のように、ライフラインの復旧までに時間がかかる場合などは、水を使うことができないためセルフケアが不十分になりやすい。そのための対応としては、水を使わない口腔ケア方法の啓発が望まれる。さらに、災害時には、肺炎だけではなく、低栄養も課題である。災害時に、口腔保健から栄養までを包括的に進めるためには、医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・言語聴覚士・管理栄養士などの口腔から栄養に関わる専門職の連携も重要である。近年、災害時の食支援が注目されている。今後、災害時の食支援体制の整備を行うことで、口腔保健から栄養ケアまでを包括的に進めていくことが望まれる。
KEY WORDS ▶︎ 災害関連死、肺炎、口腔保健、口腔ケア、栄養ケア、食支援