
栄養 Vol.41 No.3
2026 OCT
Special topics 特集:令和8年度 診療報酬改定
【総説】 令和8年度診療報酬改定から考える栄養管理と病院経営 ―「コスト」から「価値を生む基幹機能」へ―
吉村芳弘
熊本リハビリテーション病院副院長/サルコペニア・栄養支援センター長、日本リハビリテーション栄養学会理事長
令和8年度診療報酬改定では、物価・人件費高騰への対応とともに、高齢者医療を支えるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的取組、病棟における管理栄養士の配置、嚥下調整食、退院直後の訪問栄養食事指導、心不全の再入院予防など、栄養管理を診療プロセスの中核に位置づける改定が進められた。病院経営の観点では、栄養管理を単なる給食コストや加算取得の手段として捉えるだけでは不十分である。栄養リスクの早期把握と介入、多職種協働、経口摂取支援、機能回復、円滑な退院、再入院予防までを一連の患者フローとして捉え、管理栄養士を含む人的資源が生み出す価値を評価する必要がある。本稿では、令和8年度改定の主要な栄養関連項目を病院経営の視点から整理し、「診療報酬―人員・組織―診療プロセス―患者アウトカム―病院経営」という連鎖に沿って、栄養管理を病院の基幹機能として再設計するための論点を考察する。
KEY WORDS ▶︎ 診療報酬改定、栄養管理、病院経営、管理栄養士、リハビリテーション栄養、嚥下調整食