
栄養 Vol.2 No.3
2017 september
Special topics 特集:災害時の食 要配慮者・弱者の健康維持の可能性を問う
【総説】 生産の現場から見た災害時の介護食
別府 茂
ホリカフーズ株式会社
地球温暖化による気象・気候変動に加えて、日本は地震、台風、火山などの自然災害が多発する要因を抱え、またその活動期に入って毎年のように自然災害による被害が発生している。このような状況の中で日本は高齢化が進み、高齢避難者の健康面の二次災害を守る対策が不可欠となっている。さらに高齢避難者には摂食嚥下障害を持つ高齢者も増加しており、これまでの非常食では対応できない要配慮者の避難生活に必要な食対策が必要となっている。災害時は、常温の介護食にニーズが集中するが、この生産対応、流通、配給などにも課題があることが判明している。これらの解決にむけては、避難者自身の自助、災害時に買占めをしない共助、避難生活支援としての公助がセーフティネットとして役割を果たす必要がある。また、災害時専用ではなく、日常生活で無駄なく利用し、災害時に役立つ仕組みも必要となっている。本稿では、ホリカフーズの経験から明らかとなった介護食の災害対応と課題について紹介する。
KEY WORDS ▶︎ 介護食、摂食嚥下障害、要配慮者、避難生活、セーフティネット