第58回日本小児内分泌学会学術集会 開催 大会長 南谷幹史先生
2025.11.12栄養素第58回日本小児内分泌学会学術集会 開催

第58回日本小児内分泌学会学術集会は、2025年10月30日(木)〜11月1日(土)にグランドニッコー東京ベイ舞浜で開催された。オンデマンド配信は10月30日〜11月16日および11月17日〜12月22日に実施される。大会長の南谷幹史先生(帝京大学ちば総合医療センター小児科)は、テーマを「座談で究める小児内分泌学 ― Etwas Neues(新しい何か)を求めて」とし、経験や年齢、ジェンダー、興味の違いを理解し出会い、討論し知識欲を満たす場を創ること、そしてヒトが胎児期から若年成人期まで発達し次世代へ命を繋ぐように、小児内分泌学会が「人生のバトンの受け渡し」を極める学問であることを再認識する場となるような学術集会にするとした。テーマが示すとおり、会場では一方向の講義にとどまらず、様々な議論がされた。
栄養関連の発表は、一般口演20「肥満・やせ・栄養・脂質代謝」とポスター発表で行われた。トピックとしては肥満・やせ・脂質代謝、家族性高コレステロール血症、症候群性肥満・希少疾患、摂食・低栄養と低血糖、成長・甲状腺機能と栄養の関係などであり、様々な演題が発表された。演題はいずれも、栄養評価と内分泌学的評価、さらに薬物療法や家族単位の介入などそれぞれの視点で症例について具体的に発表がされた。
栄養関連演題
一般口演 20「肥満・やせ・栄養・脂質代謝」
・肥満小児における血清酸性スフィンゴミエリナーゼの検討
・家族性高コレステロール血症ホモ接合体の小児に対する ANGPTL3 阻害薬(エビナクマブ)の治療効果
・青年および成人プラダー・ウィリ症候群における EQ-5D-5L スコアによる QOL 評価と関連因子の検討
・成人プラダー・ウィリ症候群患者における GH 治療は骨格筋量を増加させる
・小児期・思春期発症摂食障害患者の BMI-SDS 変化率と FT3/FT4 の関連
・SGA性低身長症ではその他の低身長児よりも TSH に対する FT3 が高値をとる
ポスター発表 3「糖代謝・糖尿病・低血糖 1」
・偏食と低栄養を背景に重篤な低血糖を呈した乳児例
ポスター発表 9「糖代謝・糖尿病・低血糖 3」
・慢性膵炎の経管栄養管理中に低血糖を来し、持続血糖測定で後期ダンピング症候群と診断した一例
ポスター発表 10「肥満・やせ・栄養・脂質代謝」
・初診時肥満度が100%を超えた重度小児肥満症3症例の経過
・下気道感染症を契機に長期人工呼吸管理を行った Prader–Willi 症候群13歳女子の臨床経過
・小児肥満外来における体組成と肥満度の検討
・小児肥満患者に対する栄養指導の有効性と課題に関する研究
・10歳男児の診断を契機に父親の治療を見直すことができた家族性高コレステロール血症の1家系
・家族性高コレステロール血症複合ヘテロ接合体の姉弟例におけるロミタピドの効果と副作用
・当院で経験しているアルストレーム症候群の 2 例
・MKKS遺伝子に新規ミスセンスバリアントを認めた Bardet–Biedl 症候群6型の一例
・健康診査で成長障害を指摘され内分泌疾患の診断に至った2例
・成長障害を伴った回避・制限性食物摂取症(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder)の1女児例


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