第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会|REPORT「シンポジウム17」心不全患者の栄養管理(非代償期・代償期)~固定観念からの脱却~

2023.11.09栄養素

座長
簗瀬正伸藤田医科大学 医学部 循環器内科学
宮島 功社会医療法人近森会 近森病院 臨床栄養部 

ディスカッサント
坂本陽子大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科

 


  • 京都大学医学部附属病院 循環器内科・リハビリテーション科の小笹寧子先生は心不全患者における栄養管理のエビデンスを紹介し、急性期には低エネルギー・低たんぱく質投与量で栄養管理を開始し、回復期は心不全患者の身体活動量に応じた十分なエネルギー・たんぱく質の投与、生活期には未加工植物性食品を中心とする食事パターンの指導が重要であると紹介した。

  • 安城更生病院 循環器内科の植村祐介先生は心不全患者の身体機能・ ADL に着目し、目標を視覚化することで、多職種で低栄養への介入を行い患者家族の QOL や予後を改善できる可能性があるとした。

  • 聖マリアンナ医科大学東横病院 循環器内科の鈴木規雄先生は同院で実施している心不全患者へのプロトコルに基づく栄養管理について説明し、経腸栄養開始や増量の基準が明確となるプロトコルの有用性について紹介した。

  • 独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院 栄養管理部の西條 豪先生は機械的補助循環( mechanical circulatory support : MCS )の使用患者への早期経腸栄養例を紹介、有害事象は増加せず、感染合併症を抑制する可能性を示した。

  • 枚方公済病院 栄養科の上田耕平先生は同院で実施している高度治療室( HCU )病棟への専任管理栄養士の配置のメリットを紹介し、多職種協働での早期栄養管理が不要な絶食の防止、低栄養の予防・改善、減塩や低栄養に対する指導を行う上で効果的であるとした。

  • 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 栄養指導科の沖野優佳先生は心不全患者の増悪要因は塩分・水分制限の不徹底とともに低栄養が独立した予後規定因子であると指摘、多角的な栄養介入が心不全患者の再入院率を低減する可能性を示した。

 

基調講演
心不全患者の栄養管理のエビデンス

小笹寧子京都大学医学部附属病院 循環器内科・リハビリテーション科

心不全患者にもエビデンスに基づく栄養管理が必要

心不全患者の栄養管理は最近までエビデンスがほとんどない状況だった。しかしこの 5 年間でこの領域における大規模臨床研究結果が次々に報告され、注目を集めている。従来の心不全患者に対する栄養管理は塩分や水分の制限が中心であったが、実際には塩分や水分の制限が有効であるという根拠があったわけではない。最近では、個々の患者において栄養状態の評価に基づく適切な栄養管理を行い、疾患の治療、病態の改善、予後の改善を目指そうとする流れが強くなってきた。心不全患者においては、疾患の治療効果を示すエビデンスに基いた栄養管理すなわち栄養療法を行う必要がある。

急性期の経腸栄養の推奨度、たんぱく質投与量設定に変化

栄養管理の方法は心不全患者の病期によって異なる。急性期では、患者は完全に受動的な存在であり、栄養管理の全責任は医療者が担う。以前は急性心不全患者には安静・絶食・補液とされていた。 5 年ほど前から急性心不全患者でも静脈栄養より経腸栄養が有用との考えが提唱されるようになり、エネルギー投与量やたんぱく質投与量が議論されるようになった。きっかけとなったのは 2016 年発表の『日本版重症患者の栄養療法ガイドライン』において「重症患者に対して経腸栄養を優先することを強く推奨する」とされたことである。その後、多くの研究が発表され、 2020 年の『日本版敗血症診療ガイドライン』では「重症患者への経腸栄養を行うことを弱く推奨する」との記載になった。心不全患者でも早期の経腸栄養が重視されていたが、最近は静脈栄養も選択できる流れになってきた。
この 2 つのガイドラインの間で推奨が変わった根拠となった研究は、フランスで行われた NUTRIREA – 2 試験である。この試験は気管内挿管されたショック患者約 2,400 例を対象に経腸栄養または静脈栄養に分けて比較している。最初の7日間の投与エネルギー量は 20 〜 25 kcal / kg / day と通常の栄養管理で標準的な量が目標とされた。その結果、 28 日死亡率、感染症発症率に経腸栄養と静脈栄養に有意差は認めず、嘔吐や下痢、非閉塞性腸管虚血などの合併症は経腸栄養群で多かった。
たんぱく質投与量に関しては、 2016 年の『日本版重症患者の栄養療法ガイドライン』では、至適たんぱく投与量は不明であるとしながらも、急性期重症患者では、 1 kg あたり 1.2 〜 2.0 g / 日のたんぱく質喪失量を考慮してたんぱく質投与量を設定するとの記述がある。 2020 年の『日本版敗血症診療ガイドライン』では、敗血症患者では急性期に 1 g / kg / day 未満のたんぱく質を投与することを弱く推奨するとされており、たんぱく投与の設定量が引き下げられた。

◆ 急性期ショック患者への低エネルギー低たんぱく質投与で ICU 滞在日数が短縮、合併症も減少

これらの 2 つのガイドライン間で推奨が変わった理由として、フランスで行われた NUTRIREA – 3 試験の結果がある。この試験は気管内挿管されたショック患者約 3,000 例を対象に低エネルギー低たんぱく質投与群、通常エネルギー通常たんぱく質投与群の 2 群に分け、予後を比較している。低エネルギー低たんぱく質投与群では平均エネルギー投与量は 6 kcal / kg / day 、たんぱく質投与量は 0.2 〜 0.4 g / kg / day であった。
90 日死亡率に両群で有意差は認めなかったが、 ICU 滞在日数は低エネルギー低たんぱく投与群で有意に短く、嘔吐や下痢、腸管虚血などの合併症は低エネルギー低たんぱく投与群で有意に少なかった。この結果から、急性期には低エネルギー量投与、低たんぱく質投与が望ましいと考えられるようになった。

急性期ショック患者への高たんぱく質投与で生存退院率が低下、死亡率が上昇

高たんぱく質投与の有用性を検討した報告として、 EFFORT Protein 試験がある。これはアメリカ、米国、カナダ、日本も含む多国間で行われたランダム化比較試験で、気管内挿管を施行された栄養リスクのある患者約 1,300 例を対象に体重 1 kg あたり 2.2 g / 日を投与する高たんぱく群、体重 1 kg あたり 1.2 g / 日を投与する通常たんぱく群に分け、比較した。
その結果、有意差は認めなかったものの 60 日生存退院率は通常たんぱく質群で高く、 60 日死亡率は高たんぱく群で高い傾向が見られた。特に急性腎障害など多臓器不全患者では、高たんぱく質投与が有害との結果であった。

急性期循環不全患者の経腸栄養は推奨されず

循環不全患者における経腸栄養に関して、各ガイドラインでは特に蘇生期にある患者に関しては「経腸栄養の開始を控える」または「経腸栄養を行わない」ことが弱く推奨されている。急性心不全患者に対しても、現在のコンセンサスでは大量の輸液やカテコラミン投与を必要とする蘇生期では経腸栄養は控えたほうがよいとされている。
この背景には経腸栄養を行った時の循環動態にある。経腸栄養を行うと、全身血管抵抗低下と消化管血流増加が起きる。このため、ショック状態、血圧低下状態の患者への経腸栄養施行は重要な臓器、特に脳への血流が確保できなくなる。また消化管血流の需要増加に応じた血流が供給されない場合は、腸管虚血を起こしてしまう。少なくとも現段階では、循環動態が悪い患者において早期経腸栄養実施が有用とのエビデンスはない。この時期の経腸栄養は慎重に行う必要がある。

急性心不全患者では低エネルギー低たんぱく質から開始する栄養管理が必要

急性心不全患者の経腸栄養に関して、日本で行われた観察研究が 2 報ある。 1 報では、急性心不全患者 87 例を早期経腸栄養開始群、 48 時間以降経腸栄養開始群に分け経過を比較し、早期経腸栄養開始群で冠動脈疾患集中治療室( CCU )滞在日数や挿管日数、挿管中感染症が有意に減少したとしている。ただしこの報告では早期経腸栄養開始群でも、経腸栄養開始から 3 日間のエネルギー投与量は体重 1 kg あたり平均 9 kcal / 日、たんぱく質投与量も体重 1 kg あたり平均 0.5 g / 日と少量であった。したがって早期に経腸栄養を開始するとしても少量からの投与が望ましいと考えられる。
もう 1 報では急性心不全患者において、経腸栄養開始後 3 日間のエネルギー投与量が体重 1 kg あたり 18 kcal / 日未満の群は、体重 1 kg あたり 18 kcal / 日以上の群より 6 か月間の再入院率が有意に少なかったとされている。
これらの結果から、心不全急性期の栄養療法では、まず蘇生期から離脱していることが必要であり、投与方法は静脈栄養、経腸栄養のどちらでもよいが、低エネルギー投与量、低たんぱく質投与量から開始することが重要と考えられる。具体的な栄養剤の種類や投与のプロトコルのエビデンスに関しては今後の研究が必要である。

亜急性期や回復期の心不全患者では十分なエネルギー投与とたんぱく質投与が必要

亜急性期から回復期つまり一般病棟に入院中の心不全患者は意識もあり、選択権も行使できる。したがって医師と患者の関係は指導と協力となり、患者自身も栄養管理の一部を担う。
入院中は栄養管理されているため過栄養は生じにくいが、入院食を全量摂取できない場合は低栄養に陥りやすい。入院食では入院時の食事オーダーが退院まで継続されやすいが、患者の状態は、入院初期に比べ退院直前は活動量も増加しており、エネルギー必要量も異なってくると考えられる。したがって、エネルギー投与量の調整が重要になる。
この時期の栄養管理については、『心不全患者の栄養評価・管理に関するステートメント』や『心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン( 2021 年改訂版)』に記載がある。これらのガイドラインでは、入院中の患者では十分なエネルギー量と十分なたんぱく質の投与が推奨されている。心不全で入院する患者の大多数が高齢者という背景もあり、「高齢心不全患者では 1 日 6 g 以下の塩分制限の見直しを考慮しても良い」と推奨されている。

低栄養心不全患者への栄養介入で死亡率が低下

この推奨の根拠はスペインで行われた PICNIC 試験である。この試験は急性心不全患者のうち簡易栄養状態評価表表( MNA )で低栄養と診断された患者 120 例を対象に栄養介入群と通常治療群に分けて、予後を比較した。栄養介入は入院から 6 か月間、栄養士が食事の適正化や助言、栄養剤の投与などを行った。対象患者の平均年齢は 79 歳と高齢者が多かった。 12 か月間の死亡率・心不全再入院率は栄養介入群で有意に低かった。 12 か月間の死亡率も栄養介入群で有意に低かった。
2021 年には EFFORT 試験の心不全患者についての解析が報告されている。心不全患者のうち栄養リスクを認めた 645 例を対象に、入院中に管理栄養士による栄養介入を行った群と通常治療のみ実施された群で予後を比較した。その結果、 30 日生存率は栄養介入群で有意に高く、 30 日主要心血管イベント ( MACE ) 発現率は栄養介入群で有意に低かった。特に急性の心不全患者では管理栄養士による個別栄養介入の効果が高いことが明らかになった。
回復期には、心不全患者の身体活動量に応じた十分なエネルギー、たんぱく質を投与する必要がある。その際は管理栄養士が介入して微調整し、必要な場合は食事の調整や栄養補助食品などを考慮する必要がある。ただし、日本人の心不全患者に至適な食事パターンや望ましい栄養補助食品などのエビデンスは未確立である。

生活期心不全患者に対する厳格な減塩指導に病態改善効果なし

生活期の栄養管理では、医師や医療者の役割はあくまで教育、指導であり、実際に栄養管理に取り組むのは患者や介護者となる。従来はこの時期の心不全患者の栄養管理として食塩制限 6 g 以下/日の指導がされてきた。
しかし、最新の『心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン( 2021 年改訂版)』では「減塩指導を考慮する」の推奨グレードは 2 a 、「高齢心不全患者で画一的な 1 日 6 g 以下の制限は見直しを考慮する」の推奨グレードは 2 b となっている。この推奨グレードは食塩制限 6 g 以下 / 日による予後改善効果を示した研究がないためである。
2022 年に発表された SODIUM – HF 試験は減塩による病態改善効果がなかったことが報告された。この試験はオーストラリア、カナダ、チリなど 6 カ国が参加し、 NYHA 分類 2 〜 3 の心不全患者 800 例を対象に食塩制限 3.8 g / 日未満(ナトリウム 1500 mg / 日未満)の強化食塩制限群と通常食塩制限群に分け、予後を比較した。
12 か月後の心血管入院率、死亡率、救急受診率はいずれも両群間に有意差はなかった。死亡率は食塩制限 3.8 g / 日未満群では 6 % 、食塩制限通常食塩制限群では 4 % となり、有意差はないものの食塩制限 3.8 g / 日未満群で高い傾向が見られた。カプランマイヤー曲線でも、食塩制限 3.8 g / 日未満という厳格な塩分制限が予後に関連しないことが示された。
SODIUM – HF 試験では強化食塩制限群と通常食塩制限群のいずれにおいても、指導内容に対する遵守率(食塩制限のアドヒアランス)は低かった。実臨床でも心不全患者に栄養指導を行ってもその通りに実践されない問題が起きている。

心不全患者に対するダッシュダイエット食宅配は再入院率を低下

2018 年に発表された GOURMET – HF パイロット試験では、アメリカで心不全食として推奨されているダッシュ ( DASH ) 食を 4 週間にわたり患者に宅配する群と通常治療群に分け、予後を比較した。ダッシュ食は食塩 5 g / 日とし、全粒粉、野菜、ナッツ、豆を豊富に含み、肉や砂糖菓子が少ない食事となっている。その結果、 30 日心不全再入院率は宅配群で 11 % 、通常治療群で 27 % であり、対象患者が 107 人と少ないため有意差はないものの、宅配群で低い傾向だった。
ダッシュ食が日本の心不全患者にそのまま適用できるとは限らない。しかし、日本ではご飯を中心とした『ザ・ジャパン・ダイエット ( The Japan Diet ) 』 が提唱されている。心不全患者でも 『 ザ・ジャパン・ダイエット 』 の食事を宅配などで提供すれば、予後が改善する可能性がある。

生活期では未加工植物性食品を中心とする食事パターンが有用

生活期の栄養療法ではダッシュ食のような未加工植物性食品を中心とする食事パターンが望ましく、未加工植物性食品が多い 『 ザ・ジャパン・ダイエット 』 も同様と考えられる。患者教育では栄養管理の中心となる患者の行動変容のテクニックも必要になる。自分で食事が用意できない患者には食事の支援などヘルス・アドボケイトも重要である。一方、至適な食事パターンや栄養補助食品などのエビデンスは未確立である。

心不全患者に対しては多職種協働でエビデンスに基づいた栄養管理が必要

急性期から回復期、生活期の患者の栄養管理を実現するためには医師、看護師の力だけでは不十分で管理栄養士、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど多くの医療者がチーム医療として協力して行う必要がある。
栄養管理が心不全患者の予後に大きく関わることが大規模ランダム化比較試験により示された。これからの心不全治療においては、エビデンスに基づく患者の栄養管理、すなわち栄養療法が求められる。

 

急性心不全患者の栄養管理−循環器内科の目線から−

植村祐介安城更生病院 循環器内科 心不全チーム

心不全患者の身体機能維持を多職種介入の目標にする

安城更生病院は三次救急を担う市中病院で、循環器内科医が経皮的冠動脈インターベンションなどを行いながら心不全チームの役割も担うマルチタスクの治療を行っている。
心不全患者では栄養管理が予後を改善することが報告されている。しかし、心不全の実臨床レベルで予後改善や再入院抑制について実感することは容易ではない。また心不全において多くの栄養指標が提唱されているが、いつどのような指標を確認し、また具体的に何をどう介入すればよいのかは明確にされていない。これは栄養管理のみならず、心不全への多職種介入全般にあてはまる問題である。
高齢の心不全患者が増加傾向のなか、当院では心不全チームの目標として入院中の身体機能、 ADL 低下を防ぐことを重視しており、心不全入院中の栄養管理もその目標を達成するための一環として捉えている。

心不全患者のバーセルインデックス低下は予後悪化と関連

当院で生存退院した心不全患者を対象に、入院前と退院時のバーセルインデックス ( ADL 評価の指標 ) を比較したところ、入院前は 59.8 % と多数を占めたバーセルインデックス 100 点の患者が、退院前には 43.8 % に減った。退院前にはバーセルインデックス 90 点未満の患者は 50.4 % 、 60 点未満の患者は 27.3 % 存在し、 43 % の患者でバーセルインデックスが入院中に低下し、平均低下量は 8.5 点であった。心不全が改善して退院するとしても、身体機能は有意に低下することが示され、さらに退院時の身体機能は全死亡や再入院などの予後に影響していた。
厚生労働省が収集管理する DPC データから心不全患者の予後予測因子を AI で抽出した報告でも、退院時のバーセルインデックスが年齢をはるかに上回り予後予測因子のトップであった。入院中の身体機能を評価し、それを低下させないことを目標にすることは、入院病棟で働くスタッフが実感できる指標であるだけでなく、患者や家族の QOL 向上、さらには予後改善にも繋がる。身体機能に低栄養は大きく関与すると報告されており、当院では、入院中は管理栄養士が低栄養に着目して介入し、退院時にその後の生活に根ざした塩分制限を含む栄養指導を行っている。

◆  CONUT スコアはバーセルインデックスと関連

低栄養には様々なエビデンスがあり、多くの指標が使われている。栄養介入のためには早期にアセスメントを行う必要がある。しかし、入院初期の心不全患者は呼吸状態が悪く、うっ血しており、体重変化も大きい。したがって、 BMI や体重を含む低栄養指標は急性心不全患者の入院早期の指標には必ずしも適当でないと考える。当院で入院中のバーセルインデックスに関連する指標を検討したところ、年齢と CONUT ( CONtrolling NUTritional status ) スコアが抽出された。  CONUT  スコアが単独の栄養指標として適当かどうかは議論があるが、採血データさえあれば簡便に把握でき、早期に評価できる点は有用と考える。
また、心不全患者が必ずしも痩せているわけではなく、 BMI が 25 以上の心不全患者は日本でも約 20 % 存在すると言われている。しかし、肥満心不全患者が過栄養とは限らない。実際、肥満心不全患者に CONUT スコアや GNRI ( Geriatric Nutritional Risk Index ) で栄養アセスメントすると、低栄養となる場合が存在し、当院のデータでは CONUT スコアのみが心不全の予後に関連していた。
こうした自施設のデータから現在当院では入院時の CONUT スコアを低栄養の指標にしている。ただ一方で、栄養介入の目標や効果判定に CONUT スコアのみを指標にすることは問題があるとも考えている。

栄養介入で摂食量が増加

EFFORT 試験では心不全の予後に関連する指標についても検討され、 BMI や食欲よりも、実際の食事量が最も関与していることが分かった。しかしながら、心不全患者では十分な摂食量を確保できないのが現実である。当院でも退院前にエネルギー充足率 100 % を達成した患者は半分以下であり、これを改善させるための介入を考えなくてはならない。
PICNIC 試験、 EFFORT 試験でも栄養介入としては個別指導でエネルギーとたんぱく質の摂取量を適正化し、必要に応じて補食を加えるという実臨床で我々が行なっていることに近い管理が行われていた。循環器内科の医師としては、このような栄養管理において、やはり管理栄養士や栄養サポートチーム ( NST ) の積極的な関与が有用と考える。
当院では 2015 年に心不全チームを開始後、年々。入院中のバーセルインデックスの低下量は小さくなり、バーセルインデックスが入院中に低下した患者の割合も少なくなっている。リハビリテーションに要する時間が短くなったこともあり、 2016 年には中央値で 11 日であった入院期間も 2022 年には 9 日まで短縮した。これは多職種の取り組み結果ではあるが、栄養管理は重要な機序になっていると考える。
ただし当院でも、より早期からの栄養介入や、介入のプロトコル化、外来や地域への継続など栄養に関する課題は多い。現在、実現できていない介入を把握した上で、可能なことをさらに行うことが重要と考えている。

身体機能に着目した多職種による低栄養への介入が重要

心不全患者において身体機能への着目は目標を実感するだけでなく、予後改善にもつながる指標と思われる。その中で低栄養への介入は有用と考えるが、その際には、管理栄養士だけでなく、リハビリテーションスタッフ、薬剤師、看護師と協力しながらアセスメントおよび介入することでその力が発揮されると信じている。

プロトコルを用いた心不全急性期の栄養管理で低栄養リスクを低減させる

鈴木規雄聖マリアンナ医科大学東横病院 循環器内科

 心不全患者でも早期から経腸栄養を目指す

急性心不全では入院時点で多くの患者が低栄養もしくは低栄養のリスクあり、である。このような患者は予後も悪い。さらに、重症患者では ICU – AW ( ICU – acquired weakness ) により疾患に伴う筋力低下が予後を悪化させ、 ADL も低下する。この問題にも低栄養が関与している。 EFFORT 試験では急性期早くから個別に栄養介入することで、 30 日後の予後が改善することが示された。心不全患者でも早期の栄養介入の必要性が示唆される。
重症患者では早期栄養介入管理加算が算定できる。心疾患でも 2022 年から早期栄養介入管理加算が算定できるようになった。当院では早期栄養介入管理加算開始前の 2 年間に 48 時間以上の静脈動脈バイパス体外式膜型人工肺 ( V – A ECMO ) を用いた患者約 37 人のうち、冠動脈疾患集中治療室 ( CCU ) 内で経腸栄養を開始した患者は 54 % であった。経腸栄養を開始した患者でも開始までの時間が比較的長かった。急性期での栄養介入は重要だが、実臨床では様々な問題がある。その問題を見極め、対応する必要がある。

医原性低栄養回避が重要

患者の約 15 % が入院中にサルコペニアを新規発症すると言われている。やむを得ない安静、食事摂取や栄養投与が不能などの回避できない状況がサルコペニアの原因となる場合もある。しかし栄養介入が可能であるが医療者の見落とし、観察不十分により栄養介入が行われていない、などの医原性低栄養で惹起されるサルコペニアの例も多い。
急性心不全患者においても、栄養介入投与が可能であるにも関わらず、不適切な判断や惰性的な管理によって低栄養となることは避けなくてはならない。安全な栄養管理をベースに、十分なエネルギーを投与によって、医原性低栄養を回避する必要がある。そのためには、投与ルート選択の際に経腸栄養、静脈栄養にこだわりすぎないことも重要である。適切なリスクマネジメントを行いながら医原性低栄養を最小限に留めることが求められる。

プロトコル作成で経腸栄養開始基準を明確化

その対策の一つとしてプロトコルの活用がある。 CCU におけるプロトコルは、集中治療分野で多くのエビデンスが示されている。しかし、心疾患に限定したプロトコルはあまり普及していない。そこで、聖マリアンナ医科大学東横病院ではプロトコルを作成し、投与ルート、投与エネルギー量の設定、栄養投与量調整の基準を明確にしたいと考えた。
栄養の投与ルート選択には、血行動態と消化管の関係が重要になる。心不全では血流の低下が生じ、腸管への血流も低下するため、経腸栄養の際に腸管虚血のトラブルが起きやすい。そのリスクを見極めながら、経口摂取、経管栄養、静脈栄養の順に対応を考えていくことが基本になる。
欧州集中治療医学会 ( ESICM ) のガイドラインで示された早期経腸栄養を行う症例には、 ECMO 使用中の場合も含まれており、血行動態が安定していれば、機械的補助循環 ( MCS ) 使用中でも経腸栄養を行うことが推奨されている。一方で経管栄養を控えるべき症例として、コントロールされていないショック状態、血行動態が保てない状態、組織管理が不十分な場合が示されている。これらは心不全にも関連する状態である。しかしコントロールされていないショック状態、血行動態を保てない状態の基準は明確になっていない。議論の中でも相手と認識が異なっている可能性がある。そこで、ショック状態、血行動態を保てない状態を明確にするため、共通言語化が重要である。
心原性ショックの基準は乳酸値 2 mg / dl 以上、平均動脈圧 60 mmHg 未満とされている。この判断基準は比較的臨床でも用いやすく、ショック状態から循環動態の安定を見極めるカットオフ値になると考える。日本集中治療学会のガイドラインでは「カテコラミン高用量の場合には腸管の使用を控える」とされている。しかしカテコラミン高用量の基準も明確ではない。心拍数上昇、血管抵抗上昇などカテコラミンの負の側面が出現すれば高用量と考えられる。しかし、このような用量は、経腸栄養開始の基準としてのカテコラミンの用量としては高すぎる可能性がある。他にもカテコラミンインデックス、ノルエピネフリン換算式もあるが、これらは急性期の実臨床では煩雑で使いづらい。多くの施設ではノルアドレナリン 0.1 〜 0.2 γ 以下で経腸栄養を開始している。また、経腸栄養不耐となる平均値はノルアドレナリン 0.143 γ と言われている。そこで当院では経管栄養開始基準をノルアドレナリン 0.1 γ 以下、ドーパミン 5 γ 以下、ドブタミン 5 γ 以下と数値化し、これを共通認識とした。
エネルギー投与量の設定についてはアンダーフィーディング、フルフィーディングそれぞれの是非が議論されている。米国静脈経腸栄養学会 ( ASPEN ) 欧州静脈経腸栄養学会 ( ESPEN ) のガイドラインはともに急性期では低栄養患者に関してはフルフィーディングでアウトカムの悪化は少なく、アンダーフィーディングで予後が悪化する可能性があるとされている。低栄養または低栄養のリスクがある患者に関しては、早期から目標のエネルギー量に到達させることが望ましい。逆に栄養状態がよければ早期はアンダーフィーディングでもよく、漸増する管理が望ましい。

プトロコルで栄養投与方法選択、エネルギーの投与量および増量を決定

当院のプロトコルでは、まず栄養評価として簡易栄養状態評価表 ( MNA ) – SF を用いてスクリーニングを行い、腸管使用の可否、経口摂取の可否で投与方法を決定する。エネルギー投与量は低栄養の患者の場合、体重 1 kg あたり 30 kcal / 日、栄養状態が良ければ体重 1 kg あたり 20 kcal / 日を基準に算出する。低栄養に関してはリフィーディングのリスクがあれば対応する。初期の栄養剤の投与量もプロトコルに定め、 1 日ずつ増量するようにした。
ただし、経腸栄養を開始した後も投与量の増減などの調整が必要になる。その際は胃内残量のチェックが重要になる。プロトコル作成当初は 8 時間ごとの胃内残量チェックとしていたが、実際のプロトコル運用で、 8 時間ごとの胃内残量チェックは煩雑で、病棟看護師が確認できない時間帯があった。そこで、 24 時間ごとの胃内残量チェックに変更した。胃内残量が 500 ml 以上あるいは逆流量が多い場合は、減量、消化管蠕動促進薬の使用を検討する。

プロトコルに基づく栄養管理で速やかな経腸栄養開始、増量が可能に

心原性ショックで当院に入院した 80 歳代患者にもこのプロトコルに基づく栄養管理を行った。この患者は約1か月前から心不全症状があり、駆出率は20%であった。薬物治療を行い、強心薬も投与したが改善せず、むしろ悪化してきたため、 MCS による管理を開始した。
CCU 入室時でも乳酸値が 3.5 mg / dl 以上と高かったが、 CCU 入室後は MCS が奏功し、カテコラミンを減量でき、 CCU 入室 7 時間後には経腸栄養を開始した。 ECMO 離脱時にカテコラミンが増量されたため、いったん経腸栄養の増量を中止したが、速やかに増量を再開した。しかし、補助循環用ポンプカテーテル ( IMPELLA ) の自己抜去で一時的なショックを呈し、カテコラミンを再開し、経腸栄養を減量した。その後、プロトコルに従って再増量を行った。平均動脈圧は 60 mmHg 以上を維持しており、安全性を維持しながら経腸栄養が実施できた。

プロトコルを使用した栄養管理は有用

プロトコルを使用することで医学的アウトカムおよび患者立脚アウトカムの双方に効果が期待できる。合併症に関してもモニタリング項目を明確にでき、安全性確保が期待できる。実際に経腸栄養を中断しても、プロトコルに従って速やかな再開ができた症例を経験し、プロトコルという共通認識があることはメリットが大きいと考えている。
ただし、プロトコルを作成するにあたって、質を高くしすぎると内容が細かくなってしまう。チェック項目が増えると、実臨床の負担も大きくなるため、施設ごとに習熟度、人的負担を考慮したプロトコル作成が前提になる。効果的かつ安全な栄養管理の継続担保を目的にしたプロトコル作成が他の施設にも普及するよう、取り組んでいきたい。

 

機械的補助循環使用患者に対する早期経腸栄養の感染合併症低減効果

西條 豪独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院 栄養管理部

 急性心不全での MCS 使用と早期経腸栄養は感染に関与

急性心不全とは急速に血行動態が破綻した状態であり、ガイドラインでは「内科的治療に抵抗性を示す急性心不全に際しては速やかに機械的補助循環 ( MCS ) を考慮すべきである」と推奨されている (推奨度 2 ) 。ただし、 MCS は体内にデバイスを挿入するため感染リスクが高まり、対策が必要になる。
感染合併症回避、軽減を目的とした重症患者に対する早期経腸栄養の必要性は広く認識されている。しかし、 MCS 患者に対する早期経腸栄養の有用性は不明である。

早期経腸栄養で感染性合併症が減少

そこで今回は、 MCS を要する重症の急性心不全患者に対する早期の経腸栄養の感染合併症低減効果について検討した。研究デザインは単施設の後ろ向きの観察研究で、 2014 〜 2022 年に大阪労災病院の ICU と冠動脈疾患集中治療室 ( CCU ) に入室した急性心不全患者のうち 72 時間以内に気管挿管と人工呼吸器管理を実施し、加えて MCS を開始した患者を対象とした。 ICU もしくは CCU 入室 48 時間以内に経腸栄養を開始した早期経腸栄養群と、 48 時間以降に経腸栄養を開始した後期経腸栄養群に分けて感染性合併症患者数、経腸栄養の合併症を比較した。
早期経腸栄養群は 72 例、後期経腸栄養群は 30 例であった。平均年齢は 70 歳代、 BMI は 23 〜 24 で両群間に差はなかった。心不全の重症度など患者背景に両群間に有意差はなかったが、乳酸値は後期経腸栄養群で高い傾向にあった。循環サポート状況は、大動脈内バルーンパンピング ( IABP ) 、 V-A  ECMO、IMPELLAの使用に両群間で有意差はなかった。MCS使用期間、カテコラミンの使用状況にも有意差はなかった。
早期経腸栄養群の経腸栄養開始は入室後 22.9 時間で、後期経腸栄養群でも 72 時間以内に開始されていた。静脈栄養とたんぱく質の平均投与量に有意差を認めたが、これは後期経腸栄養群では静脈栄養併用によって、非タンパクカロリー/窒素比の関係でたんぱく質の投与量が少なくなったためと考えられる。
感染性合併症の患者数は、早期経腸栄養群で有意に少なかった。それに伴って、人工呼吸器の装着時間も短縮した。経腸栄養の合併症は両群間で有意差はなく、両群とも非閉塞性腸管虚血 ( NOMI ) の発生はなかった。経腸栄養の完全な中止は両群ともに約 10 % であった。ただ、これにはメカニカルデバイスを抜去する際に経腸栄養を中止し、そのまま経口栄養に移行した場合を含んでおり、経腸栄養のトラブルによる完全中止はこれより少ないと考えられる。また多変量解析を用いて、感染合併症に関連する因子を検討したところ、早期経腸栄養が独立因子として抽出された。

消化管の血流低下や酸素使用量増大をもたらさない MCS 使用は経腸栄養の合併症に影響せず

心不全患者は低拍出による消化管血流低下により消化管粘膜障害、蠕動運動低下を惹起し、構造と運動の両面から消化管の免疫機能が低下すると言われており、また腸管浮腫も起こしやすい。さらに MCS の使用でより感染リスクは高くなる。一方、腸管を使用しないことで腸管免疫は低下する。経腸栄養はこれら腸管粘膜の恒常性と免疫機能の改善に関連するとの報告がある。つまり腸管免疫の維持には経腸栄養が有用であり、 MCS 使用患者における早期経腸栄養は有益と考えられる。
先行報告では V – A ECMO を必要とするショック患者に対する早期経腸栄養は有害性がないとする報告、 IABP / V – A ECMO または 2 種以上のカテコラミン投与患者に対する経腸栄養の開始で腸管虚血の発生がなかったとする報告がある。また ICU 患者の経腸栄養開始後の合併症は約 30 〜 60 % と報告されている。本研究でも経腸栄養開始後の合併症は約 50 % と先行研究と同程度であり、 MCS 使用による経腸栄養開始後の合併症増加はなかった。
不安定な血行動態になると、血液再分配機序による消化管の血流低下が起こる。そこに消化管の酸素消費量の増大が起こると需要と供給のバランスが崩れて腸管虚血が起こる。この状態で経腸栄養を行うと消化管の酸素消費量の増大を助長し、さらなる腸管虚血のリスクに繋がる。
不安定な血行動態に対して行う治療としてカテコラミン投与がある。カテコラミン投与は消化管の血流低下を生み腸管虚血のリスクに繋がる。ただし、同様に不安定な血行動態に対して行われる MCS は消化管の血流低下や消化管の酸素使用量の増大にはつながらず、全身の血流を改善する。したがって MCS の使用自体は経腸栄養の合併症のリスク因子にはならないと考えられる。

MCS 使用患者における早期経腸栄養は有効

当院では 2016 年の早期経腸栄養導入前は MCS 使用患者に対する経腸栄養は行われていなかった。早期経腸栄養導入後、 MCS 使用患者でも経腸栄養が行われるようになり、現在では MCS 使用患者でも約 80 % 以上で早期経腸栄養を実施できている。また経腸栄養開始時間の平均は入室後 24 時間以下になった。この間、特に重篤な合併症は起きていない。したがって、 MCS 使用にて血行動態に一定の安定が得られた場合、 MCS の使用患者に対する早期経腸栄養は有害事象の増加なく実施でき、感染合併症に対して特に有効な可能性がある。

 

非代償期心不全患者の栄養管理—管理栄養士の立場から—

上田耕平枚方公済病院 栄養科

 心不全患者の低栄養予防が必要

枚方公済病院は大阪府枚方市に位置する地域医療支援病院で、入院する心不全患者は年間約 500 人である。心疾患は死因別死亡の総数において第2位であり、心不全による年間死亡者数は 7 万人を超えている。心不全患者の栄養管理は、塩分制限が必要とされているが、低体重も予後不良因子であることが多くの研究で明らかになってきた。
また、慢性心不全患者ではサルコペニアが増加し、心不全急性増悪患者は嚥下障害の併存率が高い。このような患者が入院中に絶食管理されると嚥下機能低下を引き起こす。嚥下障害があれば短期間に低栄養に陥る可能性が高い。当院でも心不全増悪入院患者を対象に GNRI  ( Geriatric Nutritional Risk Index ) で栄養評価をしたところ、約 60 % で栄養障害ありとの判断になった。
管理栄養士が救命救急センターに病棟配置されることで、経腸栄養の開始時間、経口摂取の開始日数が短縮され、輸液の使用量や抗菌薬の使用量が減少したとの報告がある。このような背景からも早期の管理栄養士介入は意義があると考える。非代償期心不全患者に対する栄養介入では、不要な絶食を減らすこと、必要栄養量を早期に満たし低栄養進行を予防・改善していくこと、安定した患者に対して減塩食および低栄養に対する栄養教育を充実させていくことが重要である。

HCU専任管理栄養士を配置し、多職種で栄養介入

当院では不要な絶食の低減、低栄養の予防・改善に早期からの栄養介入を実施するため、高度治療室 ( HCU ) 病棟 10 床に専任管理栄養士を 4 名配置している。当院 HCU では朝 9 時から多職種のカンファレンスが開かれ、管理栄養士は栄養管理プランの提案を行っている。 HCU 病棟に入室する非代償期心不全患者は多くの機器や薬剤を使用しており、日々の状態も変動するため、多職種での評価が重要になる。それぞれ専門性を持ったスタッフが評価を行い、多職種で多角的にプランを計画している。これは最適な栄養管理プランを立案する上で重要と考えており、急性期における多職種連携の必要性は高い。
しかし以前は HCU 病棟 10 床に対して管理栄養士は 1 名の配置に留まっていた。決して少ない数ではないが、多職種と情報共有する時間が確保できなかった。カンファレンス開始の朝 9 時までに患者の情報収集ができず、最適な投与方法を決められないままカンファレンスに参加している状況であった。また HCU 専任の管理栄養士の代わりがいないため、休暇を取得しづらい問題もあった。
これらの問題を解決すべく、当院では少しずつ HCU 病棟の専任管理栄養士の配置を増やし、現在は 4 名となった。実際に HCU 病棟に専任管理栄養士を複数配置したことにより、管理栄養士一人当たりの業務量が減少し、患者の情報を詳細に聴取できるようになった。また、カンファレンスまでの時間に余裕ができ、多職種と事前に情報共有を行って、多角的に栄養管理プランを立案し、カンファレンス時に医師に提案できるようになった。また、休暇取得時の影響も少なくなった。

管理栄養士が患者ごとに栄養管理プランを提案

管理栄養士はカンファレンス前にそれぞれの患者に対し必要栄養量の設定、栄養評価を行う。栄養評価では、栄養投与内容、各種検査所見、バイタル、消化器症状、意識状態、生活背景といった情報を聴取する。その後、栄養管理に関わる多職種で呼吸状態、嚥下機能、義歯の有無、かみ合わせ、機器や薬剤の使用状況、治療経過などを相談し、栄養管理プランを再設定する。この情報を踏まえてカンファレンス時に医師の治療方針を確認した上で、必要栄養量の充足率を報告、栄養管理プランの提案を行う。午後からは、栄養士からも経過評価を行い、 1 日 2 回は HCU 病棟へ訪問するように努めている。
当院では急性冠症候群で入院した患者に対して、治療2時間後には食事提供を開始する。心臓血管外科手術後に HCU 病棟に入室した患者は、術当日は気管挿管管理となるが、翌日の抜管次第、意識レベルの確認、嚥下テストを行い、昼から食事を開始する。また呼吸不全を伴う慢性心不全患者に関しては、ハイフローネーザルカニューレまでの呼吸器管理であれば、入院後即食事を開始している。誤嚥性肺炎が疑われる場合は、当日に嚥下テストを行い、必要に応じて言語聴覚士 ( ST ) が介入する。早期に経口摂取ができない場合は、当院で作成した HCU 、冠動脈疾患集中治療室 ( CCU ) の経管栄養プロトコルを用いて、医師へ経管栄養の提案、もしくは経静脈栄養の提案を行う。このような取り組みによって当院では不要な絶食を減らし、低栄養進行の予防、改善に努めている。

退院後は外来栄養指導を実施

非代償期を過ぎた心不全患者に対しては、退院後に患者自身で栄養管理ができるように、プロセスマネジメント環境を整えることが重要である。行動変容ステージモデルでも示されているが、人が行動を変えて習慣化するまで 6 か月以上期間を要すると言われている。したがって栄養サポートは短期的なものではなく、退院後も必要と考えられる。
当院では、入院中から退院後まで減塩および低栄養に対する栄養教育を途切らせず継続できるよう、外来栄養指導に繋げる取り組みを行っている。具体的には、入院中に栄養指導対象となった患者に対して各病棟の専任栄養士が評価を行い、外来栄養指導が必要と判断した患者に主治医から外来栄養指導を受けるよう勧める。ただし、通院困難な患者や本人が希望しない場合もあり、継続率は 42 % 程度となっている。

心臓リハビリテーションチームにも専任の管理栄養士を配置

多職種介入を行った群は非介入群より、有意に再入院率が低くなり、特に 1 職種または 2 職種による介入に比べ 3 職種以上の介入が効果的であったことも報告されている。この結果から、心不全再入院予防効果に対しては、急性期のみならず慢性期においても多職種連携による介入が有効と考えられる。
当院では、外来で心臓リハビリテーションチームを構成しており、医師を中心に理学療法士、看護師、健康運動指導士、管理栄養士、クラークから構成されたメンバーで心不全患者のサポートを行っている。心臓リハビリテーションチームの専任管理栄養士は 2 名配置されている。心臓リハビリテーションチームでは外来栄養指導を行うとともに、多職種によるカンファレンスで新規患者の栄養アセスメントを月に 1 回行っている。多職種での介入で、単一職種による介入よりも患者さんの状態をより詳細に評価することができると実感している。

多職種連携と急性期からの管理栄養士介入が有用

心不全患者に対する多職種連携と超急性期からの管理栄養士の介入は不要な絶食をなくし、早期の栄養管理、減塩や低栄養に対する指導を行う上で効果的と考えられる。

 

心不全ステージC・Dの患者における栄養評価・栄養管理のあり方を考える

沖野優佳国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 栄養指導科

 心不全ステージ C や D の患者の多くが低栄養

呉共済病院に入院し、栄養指導を受けた心疾患患者の主病名のうち約 25 % が心不全であった。心不全は近年増加傾向にあり、再入院も多い。当院でも退院した患者の 34 % が半年以内に心不全増悪により再入院しており、その抑制が課題である。心不全で最も多い増悪誘因は塩分、水分制限の不徹底との報告がある。管理栄養士が食事指導の強化を図ることで再入院を抑制できる可能性がある。これまで当院では塩分制限を主体とした患者教育を行ってきた。これにより再入院率の低下には至っていないものの、再入院までの期間延長の効果が得られている。
一方、心不全ではエネルギーの需要と供給が崩れて低栄養になりやすい。低栄養は心不全の独立した予後規定因子であり、その防止が必要である。そこで従来の塩分適正化だけではなく、低栄養対策も両立できる栄養指導にシフトチェンジをしている。肥満は心不全の発症リスクではあるが、心不全を発症して増悪を繰り返すうちに、体重減少が生じやすく、 BMI が低くなるほど予後不良となる obesity paradox という逆転現象が生じるため、当院でもこのような患者に対する積極的な栄養介入を 2022 年から開始した。
当院の心不全患者のうち入院時の簡易栄養状態評価表 ( MNA ) – SF を用いた栄養評価で低栄養または低栄養の恐れありに該当した患者は心不全ステージ Cの約 50 % 、心不全ステージ D では症例数が少ないものの 100 % であった。体重減少率や食欲不振の自覚も心不全ステージ C でも十分多いが、心不全ステージ D ではその割合がさらに高く、心不全患者は深刻な低栄養状態になっていると考えられる。しかし入院時のエネルギー充足率には心不全ステージ C と D の間に有意差はなかった。

栄養介入でエネルギー充足率が増加

栄養介入は入院当初から十分に栄養量が確保できている患者および希望しなかった患者を除いた約 40 % の患者に行った。摂食量の低下につながる食事の味の薄さに対しては、摂取状況に合わせて塩分制限を緩和した。心不全では頻呼吸、筋力低下で食べること自体が疲労の原因となっているケースも多い。このような場合は咀嚼の負担を減らせるようきざみ食ややわらか食など食形態の調整を行ったり、 1 食量を少なくして食事回数を増やしたりした。
入院直後 3 日間の平均エネルギー充足率は介入群の方が非介入群よりやや少ないものの両群間に有意差はなかった。その後介入群では摂取量が増え、退院直前 3 日間の平均充足率はエネルギー・タンパク質ともに有意に上昇した。一方、非介入群でも薬物療法を中心とした心不全治療で症状が緩和され、リハビリテーションも行われるため、摂取量は増えていた。しかし、介入群のような有意差はなく、微増にとどまった。

退院後も食事記録用紙を用いて栄養指導を実施

栄養介入によって入院中はエネルギー必要量が概ね充足しているが、退院後の継続が問題となる。自宅に帰ると食事の選択肢が広がり、極端な塩分摂取量過多に至る可能性もある。そこで、これらの評価を行うため退院後のフォローアップを行っている。
退院後のフォローアップを了承した患者には食事記録用紙を渡す。退院後初回外来時に食事記録用紙から管理栄養士が各栄養摂取量を算出し、その結果を患者に示し、詳細なアセスメントと必要な指導を行う。
食事記録の結果から、退院後もエネルギー・タンパク質ともに概ね必要量を確保できており、塩分も極端な摂りすぎはなく、食事療法の実践度は高いことが分かった。退院後に栄養指導があること自体が患者の自宅でのモチベーションに繋がっていると考えられる。

心不全患者には多角的な栄養介入が必要

入院が必要な心不全患者の栄養状態は不良である。塩分制限は重要ではあるが、状況に応じて制限を緩和するなどの栄養確保に主眼を置くことも必要になる。そのためには、適切に多角的な評価を行い、それに応じて早期に栄養介入していくことが重要になる。
しかし、これらの栄養介入による心不全の増悪予防や再入院抑制効果は不明であり、今後、検証を進めたいと考えている。また、従来の塩分摂取の適正化に加え、心不全によって生じる低栄養に対しする早期の多職種連携における介入システム構築、退院後の継続的かつシームレスな栄養管理を行い、回避可能な再入院の抑制や心不全増悪予防に寄与してきたい。

 

ディスカッション

フロア ● 当院では多職種カンファレンスで心不全ステージ C や D のうち摂食量が少ない患者に対する栄養療法をディスカッションすることが多いが、対応が確立していない。沖野先生から食事状況に応じて塩分制限を緩和するというお話があったが、塩分制限を緩和する際には薬剤調整など治療の方針はどのように考慮しているのか。

沖野 ● 主治医からは塩分制限は 6 g / 日という指示がある。しかし、摂食量が 50 % であれば塩分摂取量は 3 g / 日となる。残りの塩分を栄養補助食品やご飯を食べるためのおかずに回している。患者は「おかずは栄養がある」と考え、十分に摂る傾向がある。しかし、主食が不足して、エネルギー摂取量が充足していない場合が多い。リハビリテーションを積極的に行うためには、エネルギー摂取量を確保しなくてはならない。そこで、ご飯を食べてもらうため、余っている塩分を梅干し、漬物、佃煮に持っていく。したがって塩分は追加するが、 6 g / 日を超えることは多くない。

上田 ● 摂食量がある程度確保されていても体重が減少する症例もある。このような場合は、患者に食べたいものを聞きながら、医師に報告して塩分制限を緩和することもある。ただし、厳密な塩分制限を行う必要はなくても、塩分摂取過多がよいという報告はない。したがって、具体的な塩分の付加量よりも、付加により生じた変化を評価することが重要と考える。この点も医師と相談しながら調整している。

簗瀬 ● 小笹先生から SODIUM – HF 試験の結果を踏まえて、摂食量を確保するための塩分制限に関するお考えを伺いたい。

小笹 ● SODIUM – HF 試験だけでなく、 EFFORT 試験でも、心不全の栄養管理では、エネルギー量やたんぱく質をはじめとした栄養素の充足が重要であると示された。そのために必要な食事の調節は各国の食事の形態で異なる。日本でも地域によって異なると思われる。各地域で患者の食事に対する嗜好に合わせて調節することが必要と考える。

フロア ● 近年は心不全患者に SGLT 2  ( Sodium / glucose cotransporter  2 ) 阻害剤が使われるようになった。 SGLT 2 阻害剤は栄養状態が良好な患者あるいは肥満患者では問題ないと考える。しかし、栄養状態が悪いものの腎機能は保たれている患者では、 1 日 80 g のブドウ糖が排出されてしまい、栄養状態悪化に繋がる可能性がある。栄養状態によって SGLT 2 阻害薬を使い分けることはあるのか。

植村 ● 痩せの患者に対する SGLT 2 阻害剤のエビデンスはないが、作用を考えると効果はあると考えている。低栄養を理由に SGLT 2 阻害剤使わないことはなく、現在の栄養状態が悪くてもある程度摂食量が確保されていれば使用している。ただし、 SGLT 2 阻害剤使用中は体重や筋肉量の経過を確認する必要がある。

鈴木 ● まずは低栄養の原因を把握する必要がある。低栄養でもエネルギー摂取ができないことによる飢餓が原因であれば、 SGLT 2 阻害剤のデメリットは大きい。しかし、神経体液性因子の亢進など悪液質的な側面で消耗性の低栄養が進行している場合は、 SGLT 2 阻害薬の効果が期待できる。摂食量や低栄養の原因を見極めて、 SGLT 2 阻害薬を使うようにしている。

坂本 ● SGLT 2 阻害薬は血糖値に応じて糖の尿排泄量が決まると言われている。そこで、蓄尿で糖の尿排泄量を測定したところ、糖尿病でない患者では糖の尿排泄量はわずかで、エネルギー量に換算して 40 kcal / 日程度であった。入院中の患者であれば SGLT 2 阻害薬投与後の蓄尿中の糖を調べられる。さらに体重変化率をモニタリングすれば、 SGLT 2 阻害薬使用による体重減少を防げると考える。

簗瀬 ● 西條先生から機械的補助循環 ( MCS ) を使っている患者の早期経腸栄養は有用というお話があった。 MCS を使用している重症患者で SOFA  ( Sequential Organ Failure Assessment ) スコアが急激に上昇し、血小板も低下する場合がある。補助循環用ポンプカテーテル ( IMPELLA ) を使っていると、ビリルビンも急上昇する。米国集中治療医学会 ( SCCM ) のガイドラインでは多量のたんぱく質投与を行わないことを推奨する記述がある。 MCS 使用中の患者でたんぱく質を早期から投与した方がよい患者、待った方がよい患者はいるか。

西條 ● 最初に栄養障害の原因を見極め、その上で早期に十分量のたんぱく質投与を行った方がよいかについて、医師とディスカッションしている。エネルギー投与量、たんぱく質投与量については栄養障害の有無で変わる。栄養障害がない場合は、初期投与量はいわゆる Trophic feeding を基本としている。

簗瀬 ● 低エネルギー低たんぱく質で開始するとして、どの段階から、いつまでに体重 1 kg あたり 25 kcal / 日にすればよいのか。

西條 ● 腸管機能維持を目的にした少なめの投与量で開始し、経腸栄養不耐と血行動態への影響がないことを確認したうえで、エネルギーは 5 〜 7 日目、たんぱく質は 3 〜 5 日目を目標に増量している。その中で栄養障害がある場合は、より早期に増量している。

宮島 ● 各先生にそれぞれの専門性における課題と、栄養療法の展望について伺いたい。

沖野 ● 回避可能な再入院率の抑制が課題である。十分な栄養指導を行い、患者がそれを受け入れていても、 1 か月経たないうちに再入院することがある。このような症例を経験すると、この再入院は回避できたのではないかと無力さを感じる。再入院は避けられなくても、再入院までの期間を延ばして、生涯で入院する回数を減らしたいと考えている。一時的に塩分制限は守られていても長期的な再入院率は大きく変わらない現実がある。 ADL 低下を避けるためにもエネルギーやたんぱく質の充足が重要と考える。塩分制限だけでなく、栄養確保を重視し、多職種チームの介入で再入院率を低下させたい。

上田 ● 枚方公済病院でも退院後のフォローが十分に行えていないことが課題になっている。入院中は、食事は病院食で、薬剤治療やリハビリテーションも行われているため安定している。退院後、自宅の習慣に戻った結果、どのような変化が生じるか把握することが重要である。しかし、地域のクリニックや施設とのフォロー体制が確立されていない。地域との連携をとりながら情報共有を行って、心不全の増悪がないよう介入していきたい。

西條 ● 重症心不全患者における栄養管理方法と集中治療後症候群 ( PICS ) や ICU – AW ( ICU – acquired weakness ) との関連、再入院との関連について検討したい。また、入院中の栄養管理では様々な基準が確立されていないという問題もある。その中でも、至適栄養摂取量についても検討を行いたい。

鈴木 ● 栄養の専門職が存在しなくても、地域で栄養管理ができる環境になってほしいと考えている。心臓リハビリテーションも外来でのリハビリテーションが普及し始めてきた。サルコペニアなど改善に時間がかかる状態に対しては、外来で介入できる体制も必要である。こうした体制の実現に向けて、エビデンスを提示していきたい。

植村 ● 患者の退院前の食事摂食量やエネルギー充足率をいかに増やすが課題である。また、当院では外来栄養指導への移行が少なく、外来での継続指導率の向上も必要である。さらには地域との連携が必要になるが、地域の栄養に対する知識は少ない。栄養に対するリテラシーを上げる必要もある。

小笹 ● 急性期、回復期、生活期における栄養介入に関する臨床研究のレビューを行う中で、入院中の亜急性期から回復期、一般病棟にいる患者への栄養介入が最も効果が高いことが分かった。それぞれの報告で行われている栄養介入の内容は、管理栄養士による個別のエネルギーやたんぱく質の投与量および塩分制限の調節などであり、決して特殊なものではない。しかし、管理栄養士による個別の栄養介入の有無で長期の再入院率、死亡率に約2倍の差が生じていた。まずは一般病棟に入院中の患者への管理栄養士による介入が必要であり、京都大学医学部附属病院でもこれを実現したいと考えている。

坂本 ● 心不全患者のエネルギー必要量についてはエビデンスが得られていない。大阪大学医学部附属病院では亜急性期の入院患者を対象に間接熱量計で基礎代謝量を測定し、エネルギー必要量を算出した。その結果、エネルギー必要量は重症度との関連は小さいが、 BMI との関連は大きいことが分かった。体重 1 kg あたり 25 〜 30 kcal / 日の簡易式でエネルギー必要量を算出すると、特に低体重の場合に大幅に不足する。また、心不全患者では低栄養の基準が明確になっていない。とくに循環器内科医はエビデンスを重視する。管理栄養士が低栄養の可能性を指摘しても、アルブミン値は保たれているとして納得しない循環器内科医もいる。そこで、簡便に低栄養を把握できるバイオマーカーを検討した。その結果、血清アルブミンや血清アミノ酸濃度は低栄養に関連しないが、蓄尿中のアミノ酸は低栄養と大きく関連することが分かった。心不全領域でも低栄養のバイオマーカーとして、
蓄尿中のアミノ酸が活用できる可能性がある。

簗瀬 ● 本シンポジウムで示されたことは心不全治療で目指すべきゴールである。本日ご参加の先生方にはこれを各施設で実践していただき、結果を学会や研究会で発表していただきたい。これにより、日本の心不全患者の栄養療法が発展していくと期待する。

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