第14回日本リハビリテーション栄養学会学術集会 ジョイントシンポジウム Part1
2025.11.24フレイル・サルコペニア , 癌(がん)第14回日本リハビリテーション栄養学会学術集会 ジョイントシンポジウム
「がん・非がんのカヘキシアとリハビリテーション栄養の意義」
座長
斎野容子(公益財団法人がん研究会有明病院 栄養管理部)
森 直治(愛知医科大学 医学部 緩和ケアセンター)
発表の要点
- 大阪国際がんセンターの天野晃滋先生は食に限定したQOL尺度作成やNISの定義を進めていることを紹介し、カヘキシアにおいてNISと食事摂取量減少、QOL低下、うつのリスク上昇が関連するとした。
- 横浜市立大学医学部 循環器内科学の小西正紹先生は心臓のカヘキシアはがんのカヘキシアより患者数が多いことに触れ、早期診断と適切な治療が必要と指摘した。

進行がん患者における「栄養摂取を障害する症状」
演者:天野晃滋(大阪国際がんセンター)
◆食に限定したQOL尺度を作成
大阪国際がんセンターでは栄養摂取を障害する症状(NIS)と食に関する苦悩(ERD)の対策に取り組んできた。ただし、進行がん患者と家族において食に関する苦悩の評価尺度が存在しないことが問題であった。カヘキシアに関連する包括的なQOL尺度が欧米で開発されているものの、食に限定したQOL尺度はない。包括的なQOL尺度には、パフォーマンスステータス(PS)に関する項目と食事に関する項目がともに含まれている場合があるが、患者の状態によっては、両者が相殺してQOL尺度に影響することもあり得る。そこで、食に限定したQOL尺度を作成した。 このQOL尺度には患者版と家族版がある。患者版は「食べることに対するつらさ」「食べられない理由が分からないこと」「不安」「情報の不足」「家族との関係性」「見た目に対するつらさ」「家族との時間」の7領域で構成されている。それぞれの領域で3項目の質問があり、7点「非常にそう思う」~1点「全くそう思わない」まで7段階で点数を付け、合計点が高いほど、食に関する苦悩が強いことを示す。また、各領域の1問目の質問のみを選択することで、7項目の短縮版になる。 家族版も患者版と同様に7領域で構成され、各領域に3項目の質問がある。各領域1問目の質問から短縮版を構成できることも同様である。この食に限定したQOL尺度は、Webサイト「緩和ケアに関する尺度のダウンロード」からダウンロードできる。
◆NISの定義に向けて食べる意欲や能力を
障害する症状を調査 NISという用語は10年以上前から欧米の報告で使われていた。ただし、定義は曖昧で、含まれる症状も決まっていなかったため、報告によって対象や症状が異なっており、比較が難しい。そこで、NISを定義する目的で、ある程度の専門的な知識を持つ医療従事者を対象に国際的なアンケート調査を行った。この結果に基づき、NISの定義を「患者の食べる意欲や能力を障害する症状であり、必要とされる栄養摂取を阻害し、低栄養、除脂肪体重減少、QOL低下のリスクを増大する」とした。今後、より多くのコンセンサスを得ながら、定義を確立したい。 アンケート調査ではNISについて、24の症状を確認した。その結果の分析から、3つの因子が抽出された。1つ目は栄養摂取と消化吸収を阻害する症状であり、歯の不具合、嘔吐、嚥下障害、口渇、悪心、便秘、味覚障害、下痢、嗅覚障害、早期満腹感などの症状があげられた。これらの症状は、直接、栄養摂取や消化吸収を阻害する。2つ目は意欲を障害する症状で、不安、抑うつ、睡眠障害、眠気、せん妄、発熱、倦怠感を含む。これらの症状は、直接的には栄養摂取や消化吸収に影響しないが、食欲を抑制する。3つ目は間接的に栄養摂取や消化吸収を障害する症状で、呼吸困難や咳、口腔以外の部位の痛みなどがある。これらは消化器系の症状ではないが、出現により食事が難しくなる。
◆カへキシア群では食事摂取量が減少
NISとして痛み、息苦しさ、怠さ、眠気、食欲不振、早期満腹感など19症状を選択し、がん患者を対象にこれらの症状の有無とがん悪液質の関連を検討した。対象は緩和ケアを受けている進行がん患者378例で、性別は男女ほぼ同数、年齢中央値は63歳、過半数の疾患を消化器がん、肝胆膵がん、肺がんが占めていた。PS(パフォーマンス・ステータス)は0~1が約50%、0~2が70%弱となり、ある程度は維持されていた。これは外来患者や化学療法中の患者が中心であったためと考えられる。 欧州緩和ケア共同研究(EPCRC)の診断基準を用いて評価したところ、カヘキシアありが170例、カヘキシアなしが174例であった。食事摂取量を10段階のビジュアルアナログスケール(VAS)で評価し、カヘキシア群と非カヘキシア群で比較したところ、カヘキシア群は非カヘキシア群に比べ、有意に食事摂取量が減少していた。その他、食欲不振、悪心・嘔吐、味覚障害、嗅覚障害も非カヘキシア群に比べカヘキシア群で多かった。これは対象が化学療法中であることが影響していると考えられ、対象が緩和ケアのみである場合、出現する症状が変わってくる可能性がある。
◆NISの症状が強くなるほど食事摂取量が減少し、ERDが強い
次にNISと食事摂取の関連を検討した。対象は化学療法中のがん患者302例で、性別は男女ほぼ同数、疾患は肺がん、肝胆膵がん、消化器がんで過半数を占めていた。PS0~2の患者が70%を超えており、大部分はPSが保たれていた。食事摂取量は約60%で低下していた。症状では痛み、倦怠感、眠気、食欲不振、早期満腹感、便秘、不安、抑うつの点数が高かった。 食に関する苦悩は心理的側面にも影響するが、NISの評価では抑うつ、不安、睡眠障害が見逃されがちになる。とくに、管理栄養士がこれらの症状を把握できるようにする必要があると考えられる。 食事摂取量をVASで評価し、さらにNISの19の症状のうち、4点以上の項目数との関連を検討した。NIS4点以上の項目が1~3、4~6、7~9、10以上の4群で比較すると、4~6群、7~9群、10以上群では0群に比べ、食事摂取量が有意に減少した。さらにNIS4点以上の項目が増えるにつれ、食事摂取量は減少していた。 ERDとNIS4点以上の項目数との関連も検討した。NIS4点以上が0群に比べ、1~3群、4~6群、7~9群、10以上群のいずれも有意にERDが高かった。さらに、NIS4点以上の項目数が増えるほどERDが高くなった。この結果から、NISの症状数が増えると、食事摂取量が減り、苦悩(ERD)が強くなると示唆される。
◆うつは食事摂取量やQOLを低下
緩和ケアを受けているがん患者を対象にPHQ-9 (Patient Health Questionnaire-9)で抑うつを評価し、NISとの関連を検討した。うつと診断されるPHQ-9で10点以上の患者は34.2%であった。若干異なる対象でPHQ-9によって抑うつを評価した報告では、10点以上は20~30%とされている。したがって、今回の対象はややうつが多いと考えられる。これは対象が、病状が進行し緩和ケアを受けている患者で、心理的負担が大きいためと考えられる。 うつ群、非うつ群で食事摂取量を比較したところ、うつ群で食事摂取量が減少していた。NIS4点以上の項目数についても比較した結果、うつ群はNIS4点以上が6項目あったが、非うつ群は2項目であった。悪液質関連QOLをFAACT (The Functional Assessment of Anorexia/Cachexia Therapy)で評価し、うつとの関連を検討した。FAACTが高スコアなほどQOLは良い。うつ群は非うつ群に比べ、FAACTスコアが低く、QOLは悪かった。うつに関連する因子を多変量解析で検討したところ、女性、NIS4点以上が4~6項目および7項目以上が抽出された。
◆NISは食事摂取量減少、QOL低下、うつのリスク上昇と関連
進行がん患者において、NIS4点以上が4項目以上ある場合、食事摂取量減少、QOL低下、うつのリスクが上がることが示された。がんの悪液質で苦しむ患者と家族の安定した生活を取り戻すためには、患者の食事、活動、睡眠を保つ必要がある。しかし、NISは患者の栄養摂取を障害するだけでなく、リハビリテーションに対する意欲を低下させ、睡眠障害の原因にもなる。このような観点から、患者と家族のための多職種によるケアの開発が必要である。
質疑応答
フロア●NISが上昇した段階になると、介入しても改善が難しくなる。NISをどの段階で評価すればよいか。また、具体的な介入の目安を伺いたい。
天野●緩和ケアチームが介入した時点の症状を評価した。したがって、患者の状態はまちまちであり、評価に適した段階は不明である。ただし、症状が強くなると、問題が大きくなり、対応が難しくなる。やはり早めのケアが必要と考えられる。
心不全患者のカヘキシア(Cardiac cachexia)に対するリハビリテーション栄養と新しいアジアの診断基準
演者:小西正紹(横浜市立大学医学部 循環器内科学)
◆HFpEFは心筋の肥厚や硬化が原因
近年、心不全領域では左室駆出率(LVEF)が保たれた心不全(HFpEF)が注目されている。一般に心不全では心臓の動きが悪くなるとイメージされている。しかし、心不全の約半数はLVEFが維持されている。これをHFpEFと呼ぶ。 『The New England Journal of Medicine』のClinical Practiceに提示されたHFpEF症例では、2型糖尿病、治療抵抗性高血圧、肥満、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を合併した高齢女性が重度の末梢浮腫と最小限の労作時に起きる呼吸困難で入院した。急性冠症候群は除外され、心不全と診断された。心不全マーカーであるヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NP-ProBNP)は1,529pg/mlと高いが、心臓の動きを示すLVEFは52%と保たれており、HFpEFに分類された。 心不全の臨床ではこのような患者がしばしばみられる。HFpEFでは心筋の肥厚や硬化により心不全の症状が起きる。心不全の基本的治療として、心機能が低下した急性期には強心薬を用い、慢性期には心臓の負担を軽減する薬が用いられる。これらの基本的治療は有効性も証明されている。ただし、HFpEFでは効果が乏しく、HFpEFに対する治療法が問題になっている。
◆肥満HFpEFではGLP-1作動薬が有効
HfpEFでは女性、高齢、肥満、心房細動が特徴で、とくに肥満を持つ患者が多い。肥満のHFpEF患者ではGLP-1作動薬を用い、減量させると心不全改善効果が得られることが分かってきた。 例えば、2023年にはGLP-1作動薬のセマグルチドは肥満HFpEF患者において、心不全に関連する症状改善、身体的制限減少、体重減少の効果ありと報告された。今のところ、日本でのセマグルチドの適用は糖尿病、肥満症とされており、心不全への適用はない。 2024年にも、HFpEF患者において、2型糖尿病、肥満症が適用とされるチルゼパチドが、プラセボに比べ、肥満心血管系の原因による死亡または心不全悪化の複合のリスクを低減させ、健康状態を改善したと報告されている。
◆日本では痩せのHFpEFが多数
ただし、これらの報告は、BMI30以上のHFpEF患者が対象とされている。心不全患者でも肥満度は様々だが、欧米では約30%がBMI30以上と報告されている。日本ではBMI30以上のHFpEF患者は少ない。また、BMI30以上は心不全患者でも死亡率が低いとされている。肥満の心不全患者で減量が必要な場合があることは分かってきたが、日本では痩せで予後が悪い心不全患者が圧倒的に多い。 現在、各国の心不全のガイドラインでも肥満対策や減量を推奨していない。確かに肥満の結果として起きる心不全があり、減量した方がよいと思われがちである。しかし、心不全の発症により、動悸、息切れ、入院を繰り返し、痩せる要素が増える。つまり、肥満の心不全は、まだ肥満を維持できている心不全ともいえる。このような肥満の心不全患者に対する減量の必要性は病態によって異なる。
◆心臓カヘキシアの患者数は がんのカヘキシアより多い
カヘキシアは痩せが問題となる病態である。カヘキシアでも心臓カヘキシア患者は、がんによるカヘキシア患者すべてより多い可能性がある。また、高齢者においての心不全患者はがん患者より多いことも、カヘキシアの問題を大きくする。 痩せている心不全患者はフレイル、カヘキシア、低栄養、サルコペニアなどを合併している。フレイルやサルコペニアの主な原因は加齢と考えられるが、カヘキシアは慢性疾患が原因となり、疾患関連の低栄養ともいえる。そのため、カヘキシアとして捉えた場合は、心臓への治療が必要になる。
◆心不全治療による心機能改善は体重減少も抑制
心不全の基本的治療によって、体重減少も防止されることが分かっている。古くから心不全治療で使われているアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬のエナラプリルは、心不全の予後を改善する。さらに、体重減少6%以上の患者を約20%抑制した。同じように心不全治療で一般的に用いられるβ遮断薬が体重減少6%以上の患者を抑制したことが分かっている。 横浜市立大学附属病院では、弁膜症によって心不全になった若年男性患者を経験した。入院1年前には心機能は保たれており脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)も96pg/mlと低かった。しかし、BNPが1,724 pg/mlと上昇し、入院治療となった。体重は若干増加していたが、心不全による浮腫の影響と考えられる。LVEFは23%と低下しており、心臓の動きが悪化していた。 そこで、治療を開始したところ除水され、体重が約10kg減少、この状態でのBMIは18.8とカヘキシアの合併が分かった。この時点で大動脈弁置換術を実施し、術後に体重は増加した。BNPは95pg/mlに低下した後、さらに下がり、22pg/mlになった。この体重増加は、心機能の悪化によるのではなく、筋肉もしくは脂肪の増加によると考えられる。LVEFは29%と大きな改善はみられないものの、全身状態がよくなったことによりカヘキシアが改善した。心不全ではこのような経過もよくみられる。
◆心不全患者のカヘキシア治療でも運動療法と栄養療法を併用
心不全患者でも心臓以外をターゲットとしたカヘキシア治療として、運動療法と栄養療法が行われている。心不全患者における運動療法は心臓リハビリテーションと呼ばれ、基本的に推奨されている。通常、心不全患者では注意しながら運動療法を行うことになっている。 栄養療法のエビデンスは運動療法に比べ多くない。それでも近年、ランダム化比較試験の報告があり、EFFORT研究のサブ解析として、低栄養の心不全患者を対象に栄養補助食品(ONS)を付加した効果が検討された。対象のBMIは約25、年齢は79歳前後であった。ONS群はコントロール群に比べ、30日死亡率が有意に改善された。心不全領域でも低栄養患者に対する栄養療法の効果が分かってきている。 心不全患者では鉄欠乏への介入についてのエビデンスが多い。心不全患者に鉄の静注製剤を用いると、6分間歩行速度が長期間維持されると報告されている。欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインでは、鉄欠乏をスクリーニングし、静注鉄剤を考慮することを推奨している。日本でも週1回の注射薬であるカルボキシマルトース第二鉄、デルイソマルトース第二鉄が用いられ、持続的な作用が確認されている。
◆心不全患者のカヘキシア合併で予後が悪化
これらのエビデンスは心不全に対して構築されたものであり、心臓カヘキシアへの介入のエビデンスではない。そもそも、心臓カヘキシアについての報告はほとんどない。がんのカヘキシアと異なり、心臓カヘキシアには心臓病特有のメカニズムがある。心臓カヘキシアでは、血管収縮を起こし心臓負荷を増やすほか、腸管浮腫で腸管バリア機能が低下し腸内細菌のエンドトキシンによる炎症が起きると言われている。 心臓カヘキシアの診断基準としては、Evansらの基準が用いられていた。ただし、項目が多く、臨床での評価は困難であったため、臨床でEvansらの基準で評価した報告はなかった。そこで、心不全患者約1,000例を対象にEvansらの基準でカヘキシアを評価し、カヘキシアの有無で予後を検討した。結果は、カヘキシア群は非カヘキシア群に比べ、予後が悪いことが明らかになった。これは日本初で、世界でもほとんど検討されていなかったエビデンスである。この理由の一つに診断基準が煩雑という問題がある。したがって、簡便に早期診断できる基準が必要と考えた。
◆臨床でのカヘキシア診断を促進するため、簡便な診断基準を作成
アジア・カヘキシア・ワーキンググループ(AWGC)では、臨床においてカヘキシア診断を促すため、試みに新しいカヘキシアの診断基準の作成を始めた。まず、カヘキシアの病因として、がん、心不全、COPDなどをあげた。診断基準は病因があることに加え、3~6か月に2%を超える体重減少もしくはBMI21未満であり、主観的症状として食欲不振、客観的評価として握力低下、バイオマーカーとしてCRP0.5mg/dL未満のうちいずれか1項目に該当する場合とした。握力低下は男性28kg女性18kg未満をカットオフとした。さらに、臨床上のアウトカムとして、死亡やQOL、機能的な評価をあげた。既にがんや嚥下障害など様々な対象患者で妥当性の検討が行われている。 Evansらの基準とAWGCの診断基準を比べると、食欲不振、握力低下、筋力低下、炎症については共通である。AWGCの診断基準は簡略化しつつ、Evansらの基準の要素を取り入れている。体重減少については、Evansらの基準とは若干定義が異なっている。
◆心不全患者では体重評価が問題
心不全患者では体重評価が難しいことが問題である。入院中の心不全患者を対象にAWGCの基準妥当性を検討した。評価は治療により浮腫が改善した時点で実施している。このため体重は減少するので、約70%がカヘキシアと診断される。これはカヘキシアの患者割合として過大と考えられる。年齢、性別で調整してアウトカムを検討したところ、カヘキシア群の死亡は非カヘキシア群に比べ1.7倍高かった。しかし、BNP、腎機能などの因子も加えて調整すると、死亡のアウトカムに両群間の有意差は認めなかった。入院中の心不全患者と慢性心不全の体重の評価を同じ基準で評価するのは難しい可能性がある。 当院の心不全患者を対象に退院時とその1年前の体重を比較し、減少幅により四分位で分けたところ、減少幅が最も大きかった群は体重が12%減少していた。これらの群では体重減少が12%よりも少なかった群に比べ、死亡が1.5倍多いことが分かった、この結果は、心不全患者では急性期と慢性期で体重変化の意味が異なることを示唆する。
◆心臓カヘキシアの患者は多く、早期診断と適切な治療が必要
心臓カヘキシアは、がんのカヘキシアよりも患者数が多い可能性がある。したがって臨床でも注意が必要である。心臓カヘキシアに対する介入としては心臓の治療が重要になる。加えて、心臓以外への介入として、リハビリテーションと栄養療法を行う。今回、提唱されたAWGCの診断基準のような簡便な診断基準を用いて早期に診断し、治療が進むことが期待されている。
質疑応答
フロア●HFpEFには、純粋な心不全としてのHFpEFと、本来の心臓機能は良好であるにもかかわらず何らかの機能不全でHFrEFになった患者がある。純粋な心不全としてのHFpEFの場合、カヘキシアになりやすいという印象を持っている。純粋な心不全のHFpEFと機能不全のHFpEFでカヘキシアのなりやすさが異なる可能性はあるか。
小西●重要な質問だが、臨床で区別することは難しい。とくにHFpEFの患者は圧倒的に高齢者で痩せている場合が多い。若年の心不全では、心機能が悪く、LVEFが低下している場合は痩せているが、そうでない場合はある程度の体重は保たれている。ただし、臨床で心機能によるカヘキシアの進行の違いを実感する機会は多くない。心不全患者を対象とした報告でもHFpEFとHFrEFで共通の治療が多くなっている。厳密に区別されていないという現状がある。
フロア●カヘキシアに与える影響としては、全身状態がより大きいと考えてよいか。
小西●そのように考えている。
Part2へ続く…
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在宅医療における栄養管理と緩和ケア | 城谷典保 先生